新潟市 會津八一記念館

會津八一記念館ブログ『秋艸日記』

2010年2月26日

八一命名の茶碗

ここ数日ですが、新潟の気候も少しずつ暖かくなってきました。記念館に面した通称つばき通りには、ピンクや白の椿がちらほらと咲いています。また記念館の脇には「秋艸」という名のつばきが咲き始め、春のきざしを感じます。
「秋艸」つばきは、例年3月上旬から咲き始め、白色でしかも大輪の花びらが特徴で、ひときわ目を引きます。25年ほど前、当記念館の小柳マサ館長(当時)が會津八一の雅号にちなみ『秋艸(しゅうそう)』と名付けた花だそうです。
 
名付けたといえば、現在開催中の「新収蔵品展」には會津八一が命名した「光子命名茶碗」2客と名前の由来が書かれた書簡を並べて展示しています。
 
茶碗は新潟市出身の画家・安宅安五郎の初孫誕生記念に、八一が命名した「光子」の名入り茶碗を安宅の親戚で陶芸家・富本憲吉が作陶したものです。命名の由来は安宅が中国旅行中、杜甫詩集から孫の名前を考えていましたが名案が浮かばず、親交のある八一に相談したそうです。八一は杜甫詩集から新家庭に光明の現れる意味で「光子」と命名したのでした。
 
八一と安宅といえば、同郷出身ということもあったのか、戦前からの交流がありました。安宅の作品集の題字を八一が揮毫したり、八一の書帖「村荘雑事」には安宅の挿絵が寄せられるなど、作品面からの親交ぶりが窺われますが、今回の茶碗と書簡で、安宅家との密接な関係であったことが浮き彫りになったのです。八一の命名に対する思い溢れた書簡も併せてぜひご覧ください。
 
(学芸員 喜嶋)
 

 

 
「光子命名茶碗」(富本憲吉窯)
 
 

 

2010年2月19日

冊子制作の話

 余寒厳しい折、いかがお過ごしでしょうか?新潟市内の天気予報は雪だるまのマークばかりですが、記念館は元気に開館しております。

 
ところで、記念館では、春に向けて現在3冊の冊子の制作が進んでいます。
まず、平城遷都1300年記念「奈良の古寺と仏像」展の図録の一部が記念館の担当になっているので、その執筆、校正を行っています。こちらは4月24日の開催に合せて急ピッチで準備しております。
また、この展覧会にあわせて、記念館初の英文パンフレット「The Life and Works of Aizu Yaichi」も制作しています。こちらは英文の3論文と八一の年譜がついた小冊子になります。
そして、第2回會津八一賞公募論文「現代に生きる書とは」受賞論文の冊子が、第1回と同様に刊行されます。今回は奨励賞の2論文を掲載いたします。
 
 冊子といえば展示室では、八一の初めての歌集『南京新唱』の草稿を紹介しています。「秋艸道人詠草」と名付けられた草稿は、八一が自筆の短歌に〇△とチェックし、1首ずつ掲載の選定をしています。つまり、歌集の制作過程がわかる貴重な新収蔵品になります。このような草稿は、郵便などで友人たちにも回覧して、意見を聞いていたようです。
 『南京新唱』の装丁は八一自身が意匠し、坪内逍遙をはじめ先輩知友の序や跋、図版を掲載しています。八一は後年「凝った小冊子」と称していますが、冊子を制作するのは大変な作業だと改めて感じる今日この頃です。
 (学芸員・湯浅)
「秋艸道人詠草」
(會津八一記念館蔵)
 
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2010年2月11日

ドラマ『鳩の橋』

現在開催している「新収蔵品展」には、大変珍しい資料を展示しています。今回ご紹介するのは、小説『鳩の橋』のテレビドラマの台本と出演者の写真です。
 
 『鳩の橋』は、八一の早稲田中学教頭時代に教えを受けた小笠原忠が、当時の感動をもとに、八一と生徒の交流を通じて八一への思慕を小説にしたものです。この小説は「婦人画報」や「文藝春秋」などに転載され、芥川賞候補にものぼったといいます。そして、1966年(昭和41)3月31、4月7日の2回に分けてフジテレビのシオノギ劇場の番組でドラマ放送されました。テレビ化にあたっては、主人公(小笠原忠)が八一に傾倒した少年の日を思い出すという形をとり、宇野重吉のナレーションによって、テレビ小説風に八一の人間像を描いた内容だったそうです。出演者を一部紹介すると小笠原少年役は小柳徹、少年の母親役は川上夏代。そして気になる會津八一役は……佐分利信。松竹蒲田時代に上原謙、佐野周二とともに「松竹三羽ガラス」とうたわれ、ドラマ「化石」や「阿修羅のごとく」などで活躍した俳優でした。ちなみに、本日2月12日は、佐分利信の誕生日です。
 
會津八一を演じた俳優ではNHKハイビジョンテレビで放送された「會津八一・奈良の仏たち」での仲代達矢氏や兵庫県立ピッコロ劇団の「わたしの夢は舞うー會津八一博士の恋」での鈴木智氏がおります。佐分利信の八一役、どんな演技だったのでしょうか?とても興味がわいてきます。当時のドラマフィルムが残っているならば是非拝見したいものです。
(学芸員 喜嶋)

『鳩の橋』の台本と出演者の写真

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2010年2月 6日

「奈良の古寺と仏像」展 前売券販売スタート

 

先日、「平城遷都1300年記念 奈良の古寺と仏像‐會津八一のうたにのせて‐」展のポスター、チラシが完成し、現在、新潟市内の公共施設などで目にするようになりました。新潟展の目玉となる中宮寺・国宝「菩薩半跏像」と八一が詠んだ歌書「みほとけの」をコラボレーションしたデザインで、品があってとても素敵なポスターです。この2,3日の大雪で新潟県民の氷ついた心をきっと溶かしてくれることでしょう。
新潟展実行委員会も今春開催にむけて会議を重ね、新潟市全体が仏像展を盛り上げていくよう一層の準備に励んでおります。そこで仏像展を楽しみに待っていらっしゃる皆さまへお知らせがあります。5日から展覧会の前売券を販売開始しています。ご希望の方は、当記念館へ直接お越し頂くか、℡・fax・メールでご注文下さい。当館以外にも旅行会社、JR、ホテル、プレイガイドなどからも購入できます。なお、展覧会期間中、前売券を当館の窓口へ提示すると、当館の入館料が2割引きとなります。ぜひお早めにお申し込み下さい。
(学芸員 喜嶋)

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