新潟市 會津八一記念館

會津八一記念館ブログ『秋艸日記』

2010年7月30日

夏と裸と市島春城展の話

猛暑が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。夏は室内も暑くなりますが、會津八一は裸で寝転がりながらの読書するのが習慣だったそうです。八一は葉書に裸で寝ている姿を時々描いていますが、随筆「二人侍」で裸で失敗したエピソードを執筆しています。
ちょうど八一が早稲田中学校の教頭職を辞任した年の夏、心配した坪内逍遙と市島春城が約束なしで「御免!」と叫んで、八一の自宅に来訪してきたそうです。八一は普段通り裸で寝転んでいたため、「誰だ!」と怒鳴ったところ、「二人侍(ににんざむらい)だよ」と答えられたので、二人に気付かず裸のまま玄関に出てしまい大笑いされたそうです。
ところで、坪内逍遙は小説家、劇作家などで知られ、八一の生涯の師となった人物ですが、市島春城の名前は御存知でしょうか?2010年4月17日のブログ「秋艸日記」でも紹介していますが、市島春城(本名・謙吉 1860~1944)は、新潟の豪農・市島家の分家・角市市島家の出身で早稲田大学(創立時東京専門学校)創設に尽力したことから早稲田の四尊とも呼ばれています。また、積極的に八一をサポートした人物として知られています。
本年は市島春城生誕150年にあたり、7月17日に新発田市天王の市島邸に銅像が寄贈され除幕式が行われました。それを記念した「市島春城展」が8月31日まで 新発田市の市島邸・まちの駅の2会場で開催しています。春城は早稲田大学図書館初代館長だった事もあり、展示場には図書館所蔵の作品資料が多く並んでいるようですが、八一の書も展示していますので、足を運んでみてはいかがでしょうか?
 
會津八一記念館では開館35周年記念展「私が選んだ八一の書≪著名人編≫」が好評開催中です。これから夏本番、熱中症に気をつけてご来館ください。
 (学芸員・湯浅)
 

2010年7月24日

『自註鹿鳴集』重版されました!!

 7月18日(日)、NHK教育テレビ『日曜美術館』で「広目天のまなざし 會津八一と戦没学生が見た奈良の仏」(再放送は7月25日(日)20時から)が放送されました。記念館にも電話の問い合わせやホームページのアクセス数の増加など、予想以上の反響があり大変嬉しく思っています。番組構成上、會津八一の生涯の断片の紹介となったようですが、当館でも御協力頂いている写真家・小川光三先生や早稲田大学教授・大橋一章先生、詩人・金田弘先生のインタビューなどもあり、會津八一顕彰の良い機会となりました。

 
 さて、今回のテレビ特集や巡回展で、初めて會津八一を知った方も多いのではないでしょうか。八一の入門書というと、当館が編集した『會津八一 悠久の五十首』(新潟日報事業社)や最近刊行した対訳付きの英文ブックレットなどがあります。そんな中でも、ロングセラーなのが昭和28年刊行の『自註鹿鳴集』。晩年、八一が心血を注いで取り組んだ仕事は、自らの短歌に注釈を入れたこの著書でした。長らく岩波文庫版は品切れ状態でしたが、このたび重版されました。記念館、書店で販売中です。私も新しい文庫を片手に奈良を旅する日が来るのを楽しみにしています。個人的には『自註鹿鳴集』と一緒に読みたい、数々の名随筆が収められている昭和17年刊の『渾齋随筆』が絶版なのは残念なところです。
 
 ところで、ホームページ上でもご案内していますが、「會津八一の歌を写す」第4回秋艸道人賞写真コンテストの募集案内を掲載しています。応募者の皆様からユニークで面白く、難しいと評判を聞いていますが、ぜひ多数の御応募をお待ちしております。
(学芸員・湯浅)

2010年7月16日

NHK教育TV『日曜美術館』で會津八一を特集!

7月18日(日)9時から、NHK教育テレビ『日曜美術館』にて「広目天のまなざし 會津八一と戦没学生が見た奈良の仏」が放送されます(再放送は7月25日(日)20時から)。現在、東京に巡回している展覧会「奈良の古寺と仏像 會津八一の歌にのせて」にあわせた特集になるそうです。ぜひご覧いただきたいと思います。
  
 ところで、7月10日に日本橋三越本店の神林恒道館長講演会「會津八一の心の旅《奈良の古寺と仏像》展によせて」のお手伝いをしてきました。本店のシンボルでもある彫刻家・佐藤朝山の巨大彫刻、天女像の前で講演会でしたが、立ち見客も出る満員御礼。館長の講演は内容が面白く、声も良いと定評がありますが、會津八一の歌は読む人の音声が素晴らしいと響きはさらに良くなると感じる、あっという間の45分でした。 
 美声といえば、東京展の音声ガイドは元NHKアナウンサーの加賀美幸子さんがナレーションを行っています。東京展では會津八一の作品は若干少なめですが、音声ガイドでは寺院ごとに會津八一の歌の紹介がされています。また、『日曜美術館』では俳優の寺田農さんが出演しますが、八一の歌をどのように口ずさむか今から楽しみです。
 
 さて、新潟市會津八一記念館では企画展「私が選んだ會津八一の書≪著名人編≫」が好評開催中です。展示室では、戦後65年の特集でその頃の八一の作品資料も多数展示していますので、ぜひ足を運んでいただきたいと思います。
 (学芸員・湯浅)
 
神林館長の講演風景(日本橋三越本店)
 
※リンク
NHK『日曜美術館』
「広目天のまなざし 會津八一と戦没学生が見た奈良の仏」
 (記念館のサイトを離れます)
 
 
 

 

2010年7月 9日

糸魚川、三越の話

7月3日に糸魚川市歴史民俗資料館≪相馬御風記念館≫で講演をしました。今年は御風没後60年ということで、相馬御風記念館では記念展「相馬御風遺墨展」が7月25日(日)まで開催されています。御風は糸魚川市出身の文人で、良寛研究者として知られていますが、若くして郷土に戻り、多くの書を残しています。展示では昭和21年7月に會津八一が御風邸を訪問した際に揮毫した合作なども紹介されていました。
八一は大学の同級生だった御風との思い出を随筆「相馬御風のこと」や肉声のラジオ放送「相馬御風を偲んで」などで度々述べています。會津八一記念館では現在その音声を公開中です。好評開催中の企画展「私が選んだ八一の書(著名人編)」とあわせてご覧ください。
 
ところで、八一は御風と親しくなったきっかけは大学の構内ではなく、帰省する際の列車内で仲良くなったと述べています。八一が初めて上京した頃、新潟~直江津間の信越線が開通して上越、東京への交通が大変便利になりました。つまり、新潟県内はこの路線が出来たことで、東京の文化が大量に入るようになりました。八一も晩年、新潟市は海路から来る京都や上方文化から、陸路の東京文化に一変したと述懐しています。また、その東京文化の象徴である百貨店・三越が新潟市内に出張所を開設したのもこの頃だそうです。
三越といえば、日本橋本店は巡回展「奈良の古寺と仏像 會津八一の歌にのせて」の東京会場・三井記念美術館のすぐ近くで、関連企画展「入江泰吉写真展〜奈良・大和路巡礼の旅」が7月20日まで開催しております。7月10日には三越日本橋本店で神林恒道館長の講演会があります。詳細は下記のリンクから御覧下さい。
(学芸員・湯浅)
 
※「奈良の古寺と仏像」展HP イベント情報内
 http://butsuzo.exhn.jp/pdf/irieyasukichi.pdf

2010年7月 2日

八一祭講演会のお知らせ

會津八一記念館では開館35周年と八一の生誕(8月1日)を記念した講演会「禅と茶の湯」を開催します。同講演会では、金閣寺銀閣寺相国寺住職で、京都仏教会理事長を務める有馬頼底師(臨済宗相國寺派管長)から<八一と禅語>をテーマに茶の湯の歴史についても語って頂きます。有馬師は、現在開催中の企画展「會津八一記念館開館35周年記念 私が選んだ八一の書(著名人編)」のアンケートにもご回答頂きました。八一揮毫の禅語の書作品3点を選出し、有馬師のコメントも紹介しています。
 
日 時:平成22年8月3日(火) 午後2時~3時30分
会 場:りゅーとぴあ 能楽堂(新潟市民芸術文化会館内) 
定 員:350人(応募多数の場合抽選)
参加費:500円
 
申込み方法:7月26日 月曜(必着)までに、往復はがきに住所、氏名、電話番号を記入し、〒951-8101、中央区西船見町5932 同記念館(℡025-222-7612)へ

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